カブは、アブラナ科に分類されるヨーロッパ、中央アジア原産の植物です【1】。
同じアブラナ科の食材として白菜、大根、小松菜などがあります。
カブの食用部は胚軸(はいじく)と葉です。
カブの胚軸は根のように見えますが茎と根の間にある貯蔵器官で本当の根は更に下部にあるひげ状の部位にあたります。
カブはさまざまな品種があり、主に大きさと胚軸の色で分類されます。
胚軸の色は白色、赤色、黄色などがあります
一般にスーパーで流通しているカブは白色の小カブにあたります
この記事では主に白色の小カブについて紹介します。
・カブの栽培時期は春撒きと夏撒きがある
カブは短い期間で生育が可能な野菜
詳しくは→1.生産方法と旬の時期 カブはこのようにしてできるへ
・カブは煮崩れしやすいため注意!
詳しくは→2.カブの風味と食感へ
・カブの葉は食べたほうがいい? 意外と栄養素豊富です。
詳しくは→3.カブの栄養評価へ
・カブの調理方法は多種多用 カブと七草粥との関係は?
詳しい食べ方は→4.カブの選び方、調理方法、保存方法へ
1.生産方法と旬の時期 カブはこのようにしてできる。
カブは短期間で収穫が可能な野菜で種まき後40日~50日ほどで収穫ができます。
カブの種まきの時期は春撒き(4月頃)と秋撒き(8月下旬頃)があります。
収穫時期は春撒きの場合は5月下旬~6月中旬頃、秋撒きの場合は10月下旬~11月中旬頃になります。
カブの旬の時期は11月~1月頃で寒い時期ほど甘味が強まるといわれています。
作物の性質から苗を作って植えることはせずに畑に多めに種を撒いて収穫まで育てます。
成長までに間引きを行い、胚軸が大きくなるように育てていきます。
2.カブの風味と食感
カブの胚軸はアブラナ科に特有の硫黄臭をもち、同じアブラナ科のダイコンほどではないですがわずかな辛味があります。
加熱することで辛味は抑えられ甘くなります。
食感は生の状態だとシャキシャキとした歯ごたえのある食感で漬物などで水分を適度に抜くことでポリポリとした食感に変化します。
カブはデンプンがほとんど含まれておらず90%以上が水分である為、加熱によりしっとりとジューシーな味わいになります。
加熱しすぎると軟らかくなりすぎて風味も悪くなるため煮込み時間には注意が必要です。
カブの葉はダイコンの葉よりも軟らかく茎の部分も食べやすいです。
香りもクセが少なく加熱料理ならば幅広く使用することができます。
3.カブの栄養評価
カブの胚軸と葉の栄養素を、似た食材であるダイコンと比較してみましょう(可食部100g当たり)。
この表は、食物繊維と代表的なミネラル・ビタミン類を抜粋したものです【3】。
カブの胚軸の栄養組成はダイコンとほとんどおなじですがわずかながら食物繊維、ビタミンやミネラルが豊富なようです。
また、意外かもしれませんがカブの胚軸部分よりも葉のほうが栄養が豊富だということです。
葉は胚軸よりも食べにくく、調理用途は限られてしまいますがダイコンのはよりも食べやすいのでできれば捨てずに食べたいところです。
ちなみに葉の場合はダイコンのほうが食物繊維、ミネラル・ビタミン類が豊富に含まれています。
野菜は一般的に皮を剥くことで食物繊維やビタミン・ミネラル類の栄養素が少なくなる傾向にありますがカブの場合はカリウムの含有量が減ってしまいますが他の栄養素の損失は比較的少ないです。
可食部が減る分栄養素の損失には違いありませんが100g当たりの栄養素の組成と考えると変化は少ないです。
4.カブの選び方、調理方法、保存方法
カブの選び方
カブは胚軸に傷が無く、色にくすみが無いものが新鮮で比較的長持ちします。
葉は胚軸よりも鮮度がわかりやすいため葉を見てしなびてないかチェックしましょう。
胚軸部分は鮮度が落ちるとしわがでてきます。
カブの調理法
カブは漬物や煮物、スープの具材など幅広い料理で使用することができます。
カブは別名スズナと呼ばれ春の七草の一種であるため七草粥の材料としても親しまれています。
切り方
生で食べる場合は硬いため皮を剥き薄切りにする必要があります。
切ったあとは1%ほどの塩で軽く合えると水分が適度にでて生でも風味も良くなります。
塩分濃度は使うドレッシングなどに合わせて調節しても大丈夫です。
加熱調理の場合は煮崩れがしやすいため大きめのくし切りにするのがおすすめです。
加熱料理
水分が多いためカレーやシチューといったコクが大切な料理の場合はカブから出てくる水分量も考慮に入れて調理するのがポイントです。
カブの葉の部分は炒めて2~3%ほどの塩で濃いめの味付けをしてからご飯に混ぜることで簡単な菜飯になります。
カブの保存方法
鮮度が大切な食材であるため冷蔵庫保管が望ましいです。
葉が付いているものは冷蔵庫に入れにくいので葉だけ切って置き、加熱調理で紹介した方法で調理し保管しておくか、味噌汁の具材などに使ってしまうのが有効です。
保存する場合は保存袋に入れて冷蔵庫で保存することで乾燥を防ぎ、比較的長持ちします。
出来れば3日以内に消費したいところですが保存目安は1週間ほどです*1。
しばらく使わない場合は調理目的に合わせてあらかじめ切っておき保存袋で冷凍保存することで長期間保存することができます。
使用するときは解凍せずにそのまま使うことで比較的に味の劣化は少ないです。
冷凍したものは水分がでていきやすいため煮込み料理での使用がおすすめです。
保存目安は2ヵ月~3ヵ月です。
食材の状態、保存環境によって保存期間は変化します。
使用する際はカビの有無や乾燥状態、冷凍の場合は冷凍焼けしていないかなど食材の状態を見たうえで使用するか各自で判断してください。
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