しめじはシメジ科に分類されるきのこの総称で一般にスーパーで見かけるものはブナシメジになります。
他にも日本固有種でうま味が強く高級品として扱われるホンシメジや大きめでクセの少ないハタケシメジなどがあります。
しめじの可食部は子実体で傘状の胞子をばらまくための器官になります。
この記事は主にぶなしめじについて紹介します。
・ぶなしめじは菌床栽培で施設で栽培される
施設で栽培するため明確な旬の時期はなくおよそ120日で収穫できる。
詳しくは→1.生産方法と旬の時期 しめじはこのようにしてできるへ
・ぶなしめじは安価で適度なうま味をもち親しみやすいきのこ
詳しくは→2.しめじの特徴 風味や食感、品種についてへ
・しめじは食物繊維を含む食材
詳しくは→3.しめじの栄養評価へ
・きのこは水洗いをすると風味が落ちるとされるが水洗いしても問題ない
しめじは施設栽培なので清潔な場合が多いが気になる場合は水洗いしたほうがいい。
詳しくは→4.しめじの選び方、調理方法、保存方法
1.生産方法と旬の時期 しめじはこのようにしてできる
きのこの栽培方法は伐採した木に種菌を植え付ける原木栽培や米ぬかやふすまなどをブレンドした培地に菌を植え付ける菌床栽培などがあります。
しめじは菌床栽培によって施設で栽培されるため旬の時期は無く通年で栽培されます。
施設栽培は温度、湿度そして二酸化炭素を制御してしめじに最適な環境を作ります。
しめじの栽培は大きく分けて以下の4つの工程があります。
①培地作り・殺菌 ・植菌
②培養・熟成
③発生・菌かき
④収穫
培地作り・殺菌・植菌
しめじの培地は半年ほど熟成させたおがくずと栄養が豊富な米ぬかや大豆の皮などをブレンドして水を加えて作られます。
完成した培地は専用の容器に充填されます。
培地に雑菌があるとしめじの菌糸の成長を抑制したり病気の原因となるため加熱殺菌を行います。
殺菌後はしめじの種菌を植菌できる温度になるまで培地を冷却します。
冷却を終えたら培地にしめじの種菌を植菌します。
培養・熟成
培養は培地にしめじの菌糸を張り巡らせる工程で温度18~22℃、湿度60~70%付近で暗室で管理します。
菌糸が培地全体に張り巡らせるには30日ほどかかります。
その後60日ほど培地を熟成させます。
培地を熟成させることで菌糸に栄養を蓄えさせて子実体の発生量を増やします。
発生・菌かき
発生はしめじの可食部である子実体を発生される工程で温度14~16℃、湿度80~90℃付近で管理します。
菌かきは古くなった菌糸をかきとり子実体の発生を促す工程です。
菌かきからおよそ10日経過で発芽し始め、ある程度育ったところで光を当てて刺激を与え、傘の生育を促します。
20日経過で収穫に適したサイズに成長します。
収穫
収穫はきのこの傘が7~8部開きしたころを目安に行います。
培地から根本に沿って切り離して収穫します。
2.しめじの特徴 風味や食感について
ぶなしめじはきのこのなかでも価格が安く適度なうま味と風味を持ち親しみやすい味を持ちます。
食感はエリンギやしいたけのような噛みごたえのある食感ではなくやわらかめになります。
3.しめじの栄養評価
しめじは日本食品成分表で生やゆで、油いためなど様々な調理方法で100gあたりの成分値が記載されています【2】。
今回は生の状態でのしめじの成分値をピックアップしました。
しめじは食物繊維が含まれています。
スマホ版は横スクロールで表全体を確認できます。
豊富に含まれている栄養素は濃い色、一定量含まれている栄養素は薄い色で強調表示しています。
脂質 | 炭水化物 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食材名 | エネルギー kcal | 水分 g | たんぱく質 g | 脂質 g | 飽和脂肪酸 g | n-3系不飽和脂肪酸 g | n-6系不飽和脂肪酸 g | コレステロール mg | 炭水化物 g | 食物繊維 g |
ぶなしめじ 生 | 26 | 91.1 | 2.7 | 0.5 | 0.05 | 0 | 0.15 | 0 | 4.8 | 3.0 |
・Trは未測定であるが、文献等により微量に含まれていると推定されるもの
無機質 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食材名 | ナトリウム mg | カリウム mg | カルシウム mg | マグネシウム mg | リン mg | 鉄 mg | 亜鉛 mg | 銅 mg | マンガン mg | ヨウ素 μg |
ぶなしめじ 生 | 2 | 370 | 1 | 11 | 96 | 0.5 | 0.5 | 0.06 | 0.16 | 1 |
ビタミン | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食材名 | ビタミン A μg | ビタミン D μg | ビタミン E mg | ビタミン K μg | ビタミン B1 mg | ビタミン B2 mg | ビタミン B6 mg | ビタミン B12 μg | 葉酸 μg | ビタミン C mg |
ぶなしめじ 生 | (0) | 0.5 | 0 | 0 | 0.15 | 0.17 | 0.09 | 0.1 | 29 | 0 |
ビタミンE :α-トコフェロールの値を記載
4.しめじの選び方、調理方法、保存方法
しめじの選び方
しめじは色が濃すぎず傘が小さく締まりがあるものがうま味が強くおいしいとされます。
さらに柄の部分は形がしっかりしているものを選びましょう。
傷んでくると色が濃くなり水分が滲んできます。
しめじの調理方法
下処理
しめじは施設栽培のものが多いため国内栽培でかつ鮮度がいい場合はふきんなどで表面をふき取るだけでも問題はありません。
しかし、鮮度が悪かったり海外製の製造方法が不明なものは流水で軽く洗うのがよいとされています。
すぐに調理する場合は洗っても問題はありませんので心配な場合は水洗いをしたほうがいいでしょう。
下処理は石附(いしずき)は取り除き、手で一つ一つの柄ごとにほぐしましょう。
加熱調理
しめじはスープ、炒め物、和え物、炊き込みご飯など様々な料理に使用することができます。
うま味もあるため具材としてだけでなく細かく刻んでチャーハンにいれたりすると料理全体のうま味を強めることもできます。
関連レシピ
編集中
しめじの保存方法
しめじは冷蔵保存が好ましいです。
野菜同様にきのこは収穫後も呼吸するため保存袋に入れて呼吸を制御させることで長持ちします。
適切に保存した場合の保存目安は1週間になります*1。
長期間保存する場合は冷凍保存がおすすめです。
石附を取り除き柄を一つ一つほぐした状態で保存袋にいれて冷凍保存します。
適切に保存した場合の保存目安は1ヶ月になります。
食材の状態、保存環境によって保存期間は変化します。
使用する際はカビの有無や乾燥状態、冷凍の場合は冷凍焼けしていないかなど食材の状態を見たうえで使用するか各自で判断してください。
参考文献 下線ありのものはクリックで参考先に飛ぶことができます。
【2】日本食品成分表 2023八訂 ぶなしめじ 生
食品成分表はエクセルの栄養計算ソフトが付いている医歯薬出版がおすすめです!
5年おきに改訂しているため最新版であることを確認した上で購入したほうがいいです(2024時点は8訂が最新)。
コメント