ピーマン

ピーマンは、ナス科に分類される南アメリカ原産の多年生の植物です【1】。
ただし、日本の環境では一年生の植物となります。
ナス科の仲間の食材としてトウガラシ、トマト、ナスなどがあり、果実を可食部とする食材が多いのが特徴です。
ピーマンは緑色をしていますが、パプリカのように赤色や黄色に変化します。

この食材のポイント
・ピーマンの旬の時期は6月~9月頃
価格は5月~6月に低下する傾向にある。
詳しくは→1.生産方法と旬の時期 ピーマンはこのようにしてできる
・ピーマンの苦みはクエルシトリンが関係している
クエルシトリンは単体では渋みを感じる成分だがピーマンの香気成分と合わせると苦みを感じる。
詳しくは→2.ピーマンの特徴 風味や食感について
・ピーマンはビタミンCが豊富に含まれている
その他の食品成分については→3.ピーマンの栄養評価
・ピーマンは強火ですばやく炒めると食感を活かした調理ができる
詳しくは→4.ピーマンの選び方、調理方法、保存方法
ピーマンの栽培から収穫までの流れの例【2】

1.生産方法と旬の時期 ピーマンはこのようにしてできる

ピーマンの主要な栽培形態はハウス栽培で産地リレーなどで通年の流通が可能ですが5~6月頃供給が増加して価格が低下する傾向にあります。
ピーマンの旬の時期は6~9月頃で、温暖な気候を好む植物です。
果菜類の野菜であることから一度実をつけると継続的に収穫が可能となり収穫期間は長いです。
ピーマンは苗作り、定植、結実を経て収穫されます。

苗作り

ピーマンは発芽温度が25℃ほどのため育苗中は温かい施設で育てます。
セルトレイで発芽させて本葉が2~3枚ほど育った段階で直径12㎝ほどの育苗ポットに仮植します。

定植

定植に適した苗の目安は本葉が12~13枚ほどで最初のつぼみができるまで十分に育ったものになります。
定植後は最初のつぼみのすぐ下にある丈夫な脇芽以外は摘み取り3~4本の枝で果実を実らせるように育てます。
ピーマンの枝は細くあまり強くないため枝に沿って交差させた状態で支柱を立てます。

結実

ピーマンが結実し始めたら追肥を行います。
ピーマンが結実するとエネルギーを大きく消費するため、果実の周りの葉の枚数をみて株の健康状態を見ながら管理します。
収獲は果実の規格に達した段階で行われます。

2.ピーマンの特徴 風味や食感について

ピーマンは英語で”グリーンペーパー”と呼ばれる通り、とうがらしを改良して辛味を除去し独特な香りと苦みをのこしたものになります。
ピーマンはトウガラシよりも肉厚でシャキシャキとした食感を持ちます。

ピーマンの香気成分

ピーマンの特有のグリーン系の香りはイソブチルメトキシピラジンやピラジンによるものです。
ピラジンの香気成分は細胞内に油滴状に含まれており、包丁で切ることで放出され香りを感じます。

ピーマンの呈味成分

ピーマンの苦み成分はクエルシトリンと呼ばれる渋みを感じる成分によるものです。
クエルシトリンは単体では渋みを感じる成分ですがピーマンの香気成分と合わさると苦みとして感じるようになります【3】。
現在のピーマンは品種改良が進み苦みが抑えられている傾向にあります。

3.ピーマンの栄養評価

ピーマンは日本食品成分表で生の成分値に加え、油炒めの100gあたりの成分値が記載されています【4】。
今回は通常のピーマンの生の状態での栄養評価をしていきます。
ピーマンはビタミンCが豊富に含まれてる食材です。

スマホ版は横スクロールで表全体を確認できます。
豊富に含まれている栄養素は濃い色、一定量含まれている栄養素は薄い色で強調表示しています。

    脂質炭水化物
食材名エネルギー    
kcal
水分       
g
たんぱく質    
g
脂質       
g
飽和脂肪酸    
g
n-3系不飽和脂肪酸
g
n-6系不飽和脂肪酸
g
コレステロール  
mg
炭水化物     
g
食物繊維     
g
ピーマン
果実 生
2093.40.90.20.020.010.0305.12.3
・(0)は未測定であるが、文献より含まれていないと推定されるもの
・Trは未測定であるが、文献等により微量に含まれていると推定されるもの

 無機質
食材名ナトリウム    
mg
カリウム     
mg
カルシウム    
mg
マグネシウム   
mg
リン       
mg
鉄        
mg
亜鉛       
mg
銅        
mg
マンガン     
mg
ヨウ素      
μg
ピーマン
果実 生
11901111220.40.20.060.10Tr
 ビタミン
食材名ビタミン 
A
 
μg
ビタミン 
D
 
μg
ビタミン 
E
 
mg
ビタミン 
K
 
μg
ビタミン 
B1
 
mg
ビタミン 
B2
 
mg
ビタミン 
B6
 
mg
ビタミン 
B12
 
μg
葉酸   

 
μg
ビタミン 
C
 
mg
ピーマン
果実 生
33(0)0.8200.030.030.19(0)2676
ビタミンA :レチノール活性当量の値を記載
ビタミンE :α-トコフェロールの値を記載

4.ピーマンの選び方、調理方法、保存方法

ピーマンの選び方

新鮮なピーマンは表面にツヤがありしわのないものになります。
また、切り口がみずみずしいかどうかも鮮度の指標となります。
肉厚で食べ応えのあるものはヘタの周りがへこんでいて肩が盛り上がっているものになります。

ピーマンの調理方法

下処理

ピーマンの中身の種とワタは食べることができますが食感をよくするために取り除いて調理します。
ピーマンを縦半分に切り、指を使って種とワタを取り除きます。
基本は繊維に沿って切る方法が一般的ですが、繊維を断つようにきることで香気成分がでていきやすく加熱することで風味を抑えることができます。

加熱方法

ピーマンの加熱方法はみずみずしさを維持させるため強火で短時間で炒める方法がおすすめです。
長時間じっくり加熱すると水分がでていきしなびた食感になってしまいます。

関連レシピ

編集中

ピーマンの保存方法

ピーマンは温暖な気候を好む植物であるため温度が低すぎない野菜室での保存が好ましいとされています。
野菜室が無い場合は冬場で室温が10~15℃ほどなら常温でそれ以上の温度ならば冷蔵保存が好ましいです。
適切に保存した場合の保存目安は1~2週間になります*1。

長期間保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。
食べやすい大きさに切って保存袋に入れて冷凍保存します。
使用するときは解凍せずにそのまま加熱して調理しましょう。
適切に保存した場合の保存目安は1ヶ月です。

*1 紹介する保存方法の保存期間はあくまでも目安です。
食材の状態、保存環境によって保存期間は変化します。
使用する際はカビの有無や乾燥状態、冷凍の場合は冷凍焼けしていないかなど食材の状態を見たうえで使用するか各自で判断してください。

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高木駿介

 

管理栄養士
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食品会社の社会人1年目で休日ではサイト運営と食品テクノロジーについて調べています。

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