エリンギはヒラタケ科に分類されるヨーロッパ原産のきのこです。
エリンギはヨーロッパから中央アジアにかけて自生する木材腐朽菌で日本には自生していません。
エリンギの可食部は子実体で傘状の胞子をばらまくための器官になります。
・エリンギは菌床栽培で施設で生産される
施設で温度管理されて栽培されるため明確な旬というものはない。
詳しくは→1.生産方法と旬の時期 エリンギはこのようにしてできるへ
・エリンギは松茸に似た食感で風味が少ないためクセがない食材
詳しくは→2.エリンギの特徴 風味や食感、品種についてへ
・エリンギは食物繊維、ビタミンD、B2、葉酸を含む食材
詳しくは→3.エリンギの栄養評価へ
・エリンギはクセがないので和食、洋食幅広い料理に使うことができる
詳しくは→4.エリンギの選び方、調理方法、保存方法
1.生産方法と旬の時期 エリンギはこのようにしてできる
きのこの栽培方法は伐採した木に種菌を植え付ける原木栽培や米ぬかやふすまなどをブレンドした培地に菌を植え付ける菌床栽培などがあります。
エリンギは菌床栽培によって施設で栽培されるため旬の時期は無く通年で栽培されます。
施設栽培は温度、湿度そして二酸化炭素を制御してエリンギに最適な環境を作ります。
エリンギの栽培は大きく分けて4つの工程があります。
①培地作り・殺菌
②植菌・培養
③発生・菌かき
④収穫
培地作り・殺菌
エリンギの培地はおがくずと栄養が豊富なふすまや米ぬかをブレンドして水を加えて作られます。
完成した培地は専用の容器に充填されます。
培地に雑菌があるとエリンギの菌糸の成長を抑制したり病気の原因となるため加熱殺菌を行います。
殺菌後はエリンギの種菌を植菌できる温度になるまで培地を冷却します。
植菌・培養
冷却を終えたら培地にエリンギの種菌を植菌します。
培養は培地にエリンギの菌糸を張り巡らせる工程で温度18~22℃、湿度60~80%付近で暗室で管理します。
菌糸が培地全体に張り巡らせるには30日ほどかかります。
発生・菌かき
発生はエリンギの可食部である子実体を発生される工程で温度14~16℃、湿度80~90℃付近で管理します。
菌かきは古くなった菌糸をかきとり子実体の発生を促す工程です。
菌かきからおよそ10日経過で発芽し始め、20日経過で収穫に適したサイズに成長します。
収穫
収穫はきのこの傘の直径が4~5㎝、重さが130gほどで行われます。
培地から根本に沿って切り離して収穫します。
2.エリンギの特徴 風味や食感について
エリンギはコリコリとしたマツタケに似た歯切れのよい食感をもち風味は薄くクセがないきのこになります。
クセが少ないことから和食にも洋食にも合い、幅広い料理に使用することができます。
3.エリンギの栄養評価
エリンギは日本食品成分表で生やゆで、焼き、油いためなど様々な調理方法で100gあたりの成分値が記載されています【2】。
今回は生とゆでの状態でのエリンギの成分値をピックアップしました。
スマホ版は横スクロールで表全体を確認できます。
豊富に含まれている栄養素は濃い色、一定量含まれている栄養素は薄い色で強調表示しています。
脂質 | 炭水化物 | |||||||||
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食材名 | エネルギー kcal | 水分 g | たんぱく質 g | 脂質 g | 飽和脂肪酸 g | n-3系不飽和脂肪酸 g | n-6系不飽和脂肪酸 g | コレステロール mg | 炭水化物 g | 食物繊維 g |
エリンギ 生 | 31 | 90.2 | 2.8 | 0.4 | 0.04 | 0 | 0.12 | (0) | 6.0 | 3.4 |
エリンギ ゆで | 32 | 89.3 | 3.2 | 0.5 | 0.05 | 0 | 0.15 | (0) | 6.5 | 4.8 |
・Trは未測定であるが、文献等により微量に含まれていると推定されるもの
無機質 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食材名 | ナトリウム mg | カリウム mg | カルシウム mg | マグネシウム mg | リン mg | 鉄 mg | 亜鉛 mg | 銅 mg | マンガン mg | ヨウ素 μg |
エリンギ 生 | 2 | 340 | Tr | 12 | 89 | 0.3 | 0.6 | 0.10 | 0.06 | 1 |
エリンギ ゆで | 2 | 260 | Tr | 10 | 88 | 0.3 | 0.7 | 0.09 | 0.06 | – |
ビタミン | ||||||||||
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食材名 | ビタミン A μg | ビタミン D μg | ビタミン E mg | ビタミン K μg | ビタミン B1 mg | ビタミン B2 mg | ビタミン B6 mg | ビタミン B12 μg | 葉酸 μg | ビタミン C mg |
エリンギ 生 | (0) | 1.2 | 0 | (0) | 0.11 | 0.22 | 0.14 | (0) | 65 | 0 |
エリンギ ゆで | (0) | 2.6 | (0) | (0) | 0.08 | 0.16 | 0.10 | (0) | 20 | 0 |
ビタミンE :α-トコフェロールの値を記載
エリンギは食物繊維、ビタミンD、ビタミンB2、葉酸を含む食材です。
きのこ類の食材は野菜では取りずらいビタミンDやビタミンB2が比較的多く含まれている傾向にあります。
野菜だけでなくきのこ類の食材もバランスよく食べましょう。
4.エリンギの選び方、調理方法、保存方法
エリンギの選び方
エリンギはかさの色が薄く裏のひだがきれいなものが良質とされています。
鮮度が落ちると傘の裏側のひだから腐敗してくるので変色していないか確認しましょう。
エリンギの調理方法
エリンギは洋食ではバターで炒めて塩コショウを振るだけでもおいしく食べることができます。
中華風にしたければ油炒めをしてオイスターソースとゴマ油で味付け、和風ならばオイスターソースをしょうゆに置き換えるといいでしょう。
切り方は縦に短冊切りすると炒めやすく食べやすくなります。
関連レシピ
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エリンギの保存方法
エリンギは冷蔵保存が好ましいとされています。
家庭用の冷蔵庫の場合は温度の高い野菜室ではなく普通の冷蔵室のほうがいいです。
鮮度が落ちてくると傘にぬめりがでてくるのでそうなる前に食べましょう。
適切に管理した場合の保存期間の目安は1週間ほどになります。
食材の状態、保存環境によって保存期間は変化します。
使用する際はカビの有無や乾燥状態、冷凍の場合は冷凍焼けしていないかなど食材の状態を見たうえで使用するか各自で判断してください。
参考文献 下線ありのものはクリックで参考先に飛ぶことができます。
【2】日本食品成分表 2023八訂
エリンギ 生
エリンギ ゆで
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